院長ブログ
自宅でできる感染予防対策
医療法人H&S菊池歯科クリニック院長の菊池です。
今日は皆さんが気になっているコロナウイルス感染症についてのお話をしたいと思います。
コロナウイルス感染予防で一番大切なのは、やはり手洗いになります。
これはもう常識となっていると思いますが、それとは別に意外と皆さんの盲点になっているもう一つのポイントがあるのです。それは口の中のケアになります。
2019年日本大学歯学部の研究報告ですけれども、適切な口腔内のケアをすることで、歯周病菌が低下するとインフルエンザのウイルス量を減少するということが分かっているのです。
これは口腔内のケアを怠ると歯周病を起こす細菌が増えてしまいます。歯周病菌というのはプロテアーゼというタンパク分解酵素を出します。これは口の中の粘膜を破壊してしまうのです。口の中の粘膜というとウイルスが入ってきた時に一番最初の防護壁になる場所です。
ですから、この粘膜が破壊されてしまうと、体内にウイルスが入ってきて繁殖しやすくなってしまいます。これによって少量のウイルスでも感染が引き起こされてしまう可能性が高くなってしまします。
また歯周病菌が発生するプロテアーゼというものを、間違って肺の中に飲み込んでしまうと、肺胞という肺の器官も壊してしまいますの、でさらに肺炎のリスクは高くなってしまいます。
また東京医科歯科大学のグループの研究によると、老人ホームで口腔ケアとインフルエンザの関係を調べてみたところ、実は口腔内のプロである歯科衛生士が口腔内のケアをしたグループは、インフルエンザの発症が1/10に軽減したという報告もあるのです。
このようにインフルエンザを軽減させるということは、似たようなウイルスであるコロナウィルスも軽減させる可能性はとても大きいと思われます。
口の中の歯周病菌というのは血流に乗って全身に巡っていきます。そして糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞などをさらに悪化させる要因になるということは近年分かってきています。
ご承知のように、新型コロナウイルス80%の人は軽傷で済むですが、残りの20%の人が残念ながら悪化すると言われています。
そしてこの悪化する重症化する引き金となるものが、基礎疾患をお持ちの方いう事を皆さんご存知ですよね。その持病の多くが糖尿病、心臓疾患だとか動脈硬化を伴う疾患だと言われています。
先ほどもお話しした通り、歯周病菌というのは全身を流れて糖尿病やこの動脈硬化を悪化する原因の一つにもなりますなので、もともと持病がある方も歯周病が悪化することで、さらにこの糖尿病だとか動脈硬化がかかってしまうということにつながるのです。そこにコロナウイルス感染症が入ってきてしまうと通常であれば軽傷で済むものも、重症化しやすくなります。
若い人も健康な人もウイルスが増殖しないためにも口腔ケアは大切ですし、持病がある方や高齢の方はその持病を悪化させないためにも口腔ケアを怠らないようにしましょう。
もちろんウイルスを体内に入れないように、しっかりと手を洗う、そして歯もしっかり磨くということでコロナウイルス感染症にかからないように、かかったとしても重症化を防ぐように気をつけましょう、
最期になりますが、口腔ケアの強力な助っ人として、タンパク分解型除菌水の使用も大変オススメです。