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インプラント治療に年齢制限はある?高齢の方がインプラントを受けるリスクについて

インプラント治療とは、失った歯を補う治療方法の一つです。あごの骨にインプラントを埋めて、その上に人工歯を被せて見た目と機能を回復します。

しかし、患者様の中には「インプラントは何歳まで受けられるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。そこで本記事では、インプラントに年齢制限はあるのか、どの年齢層の方が多いのかなどについてご紹介します。高齢の方がインプラント治療を受けるリスクについてもご紹介するので、インプラントを検討している方は参考にしてください。

 

 

■そもそもインプラントに年齢制限はある?

結論から言うと、インプラント治療は骨の成長が完了する20歳頃から受けることが可能で、年齢の上限はありません。
そもそもインプラントは、あごの骨に人工歯根を埋める手術が必要で、あごの骨の成長が完了していることと、骨の量が十分にあることが前提となります。
そのため、あごの骨が成長過程である20歳未満の方は、インプラント治療の適応外となります。インプラント治療が受けられる年齢に達するまでは、仮歯や入れ歯などで補うのが一般的です。
また、インプラント治療は基本的に年齢の上限はありませんが、高齢の方は若年者と比べると体力が衰えていたり、持病を抱えていたりすることがあります。そのため、インプラント手術に耐えられない可能性や、持病が悪化する可能性があるので、全身の健康を踏まえて慎重に検討する必要があります。

 

 

■なぜ40~60代の患者様が多いのか

厚生労働省の「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」によると、インプラント治療は40~60代の方が選択する割合が多いです。なぜ、40~60代の患者様が多いのでしょうか。その理由は、虫歯や歯周病、歯の破損などによって歯が抜け始めることが40代から増えるためです。また、子育てや仕事が一段落した時期と重なり、歯科医院を受診する時間が確保しやすくなります。これを機に、老後のことを考えてインプラント治療を選択する方も多いと考えられます。

また、インプラントにはさまざまなメリットがあります。たとえば、インプラントは入れ歯と違ってかむ力を維持することが可能です。かむことは、身体機能の低下を防いだり、認知症のリスクを軽減したりすることにつながります。ほかにも、天然歯のような見た目で審美性を維持することもできます。いつまでも健康で若々しく過ごしたいという方にとって、インプラントは有効な治療方法と言えるでしょう。

 

 

■高齢の方がインプラントを受けるリスクとは

インプラント治療は年齢に上限はありません。しかし、高齢の方は以下のようなリスクがあることを考慮しなければなりません。

●体力がないと手術が受けられない

インプラント治療は、歯ぐきを切開し、あごの骨に穴を開けてインプラントを埋入する手術が必要です。そのため、体力がないと手術が受けられない可能性があります。

●細菌感染を起こしやすい

免疫力や代謝が低下していると、傷を治す能力も低下していることがあります。そのため、歯ぐきを切ったりあごに穴を開けたりするインプラント治療では、治療後に細菌感染といったトラブルが起きる可能性があります。

●インプラントと骨が結合しにくい

インプラント治療は、人工歯根とあごの骨が結合することで、自分の歯のようにかむことができます。そのため、免疫力の低下により骨の回復が遅いと、インプラントがうまく結合しない可能性があります。

●持病があると受けられない

高齢の方は、持病を抱えている方が少なくありません。特に以下のような体の状態では受けられない可能性があります。

・骨粗鬆症でビスフォスフォネート製剤を使用している方
・高血圧症で血圧のコントロールが不良の方
・ペースメーカーを利用している方
・糖尿病で血糖値のコントロールが不良の方
血圧や血糖値のコントロールが不良の場合は、安定することによってインプラント治療が受けられる可能性があります。また、服薬によりインプラント治療が受けられない方も、主治医に相談したうえで一時中断することができれば、インプラント治療が可能になることもあります。そのため、持病がある方でインプラント治療を検討している方は、主治医と歯科医師の双方と相談し、連携しながら慎重に進めていく必要があります。

●治療後の通院が困難

体の状態や健康に問題があり、治療後の通院が困難になる場合は、インプラント治療ができない可能性があります。なぜなら、インプラント治療は入れたら終わりという治療ではなく、セルフケアや定期メインテナンスが必要になるからです。これらをしっかり行えないと、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎などを引き起こす可能性があります。最悪のケースでは、インプラントが脱落してしまうことも。そのため、手術が可能でもセルフケアや定期メインテナンスが困難な場合は、ほかの治療方法をすすめることがあります。

 

 

■まとめ

インプラント治療は、歯の機能と審美性を回復するための有効な治療方法の一つです。骨の成長が完了する20歳頃から受けることができ、年齢の上限は基本的にありません。しかし、高齢の方はさまざまなリスクがあるので、体や健康の状態を考慮し、歯科医師とよく相談したうえで選択しましょう。