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歯のメインテナンスはどれくらいの頻度で通院すればいい?
歯と歯ぐきを健康に保つためには、セルフケアだけでは不十分で、歯科医院で定期的にメインテナンスを受ける必要があります。お口の中の状態や生活習慣によって通院頻度は一人ひとり異なりますが、1~6か月の間隔でメインテナンスを受けるのが望ましいです。本記事では、メインテナンスの必要性と頻度についてご紹介します。
■なぜ歯のメインテナンスが必要なのか
歯のメインテナンスは歯や歯ぐきを健康に保ち、虫歯や歯周病を早期発見・治療するために必要です。メインテナンスでは、歯石や歯垢、着色など自分では落としきれない汚れを取り除き、必要に応じてフッ素塗布を行います。
ではなぜ、歯垢や歯石を取り除く必要があるのでしょうか。
歯垢は「プラーク」とも呼ばれているもので、お口の中の細菌が繁殖して集まったものです。歯垢1mgの中には、1億以上もの細菌が存在しており、中には虫歯や歯周病の原因となる細菌が存在しています。
歯垢は丁寧な歯磨きで落とすことができますが、磨き残してしまうと細菌が出す酸や毒素によって虫歯や歯周病を引き起こします。
一方、歯石は、唾液に含まれるカルシウムやリンが歯垢と結びついて石灰化したものです。歯垢を溜めたままにすると2~3日で歯石になります。歯石自体は歯や歯ぐきに悪さをすることはありません。
しかし、歯石の表面には無数の穴が開いており、歯垢がつきやすい状態になるため虫歯や歯周病の原因になります。また、歯石は歯に強固についているので、歯磨きで落とすことができません。
メインテナンスでは、歯垢や歯石を取り除くことができます。しかし、歯石になる前の段階で定期的に歯垢を取り除くことによって、歯と歯ぐきの健康を維持することができるのです。
なお、歯の着色は、お茶やワインに含まれるタンニン、たばこのヤニなどが歯の表面にある保護膜(ペリクル)に吸着し、色素沈着したものです。歯に着色がついてしまうと簡単に取り除くことができません。
メインテナンスのクリーニングで取り除くことはできますが、着色除去を目的とした場合は、病気の治療にあたらないため自費診療になります。
■虫歯ができやすい人と歯周病のリスクが高い人のケース
歯並びや生活習慣などによって、お口の中の環境は一人ひとり異なります。そのため、虫歯ができやすい人もいれば、歯周病のリスクが高い人もいます。メインテナンスはそれぞれのケースに合わせて、適切な頻度で受ける必要があります。
ここでは、虫歯ができやすい人と歯周病のリスクが高い人は、どれくらいの頻度でメインテナンスを受けたらいいのかをご紹介します。
●虫歯ができやすい人
虫歯ができやすい人は、1~2か月でのメインテナンスをおすすめします。虫歯ができる原因はさまざまで、歯磨き不足や歯の質、間食の摂り方、被せ物や詰め物の多さ、虫歯菌の数などが挙げられます。
これらの中の一つが虫歯の原因になるのではなく、いくつかが重なることで虫歯が生じてしまうのです。虫歯ができやすい人は、生活習慣の改善やセルフケアでお口の中の環境を整えることも大切ですが、虫歯になる前に歯科医院でメインテナンスを受けることが重要です。
●歯周病のリスクが高い人
歯周病のリスクが高い人は、1~2か月でのメインテナンスをおすすめします。歯周病治療は「プラークコントロール」が基本で、歯周病の原因となる細菌を可能な限り取り除いて、お口の中の環境を整えることが大切です。
歯周病に罹患していると、歯周ポケットが4mm以上の深さになっていることが多く、セルフケアだけでは取り除くことができません。また、歯ぐきの下に歯石が付着していると歯周病を悪化させてしまうので、歯周病予防のためにも1~2か月でのメインテナンスが必要なのです。
■歯石がつきやすい人のケース
歯石がつきやすい人は、2~6か月でのメインテナンスをおすすめします。ただし、歯石のつきやすさは人によって異なるので、お口の状態によっては1〜2か月の短い間隔でのメインテナンスをすすめることもあります。
歯石が溜まってからメインテナンスを受けることも可能ですが、歯石がつきやすいと言われている「下の前歯の裏側」「上の奥歯の外側」は、自分ではなかなか見えないところなので、汚れが溜まっても気づかないという人もいます。
歯石を放置すると、歯周病を引き起こしたり、悪化させたりする原因となるほか、口臭の原因にもつながるので、歯と歯ぐきの健康を保つためにも定期的にメインテナンスを受けることが望ましいです。
■まとめ
歯のメインテナンスでは歯石や歯垢、着色などをきれいに取り除き、必要に応じてフッ素塗布を行います。そうすることによって、歯や歯ぐきを健康に保ち、虫歯や歯周病の早期発見・治療につながります。
メインテナンスの頻度は、虫歯や歯周病になりやすい人、歯石がつきやすい人によって異なります。自分はどのくらいの頻度でメインテナンスが必要なのかは、お口の中の状態を確認してもらい、希望と合わせて相談すると良いでしょう。