院長のひとりごと院長ブログ
消毒コーナー全面改装!世界基準の洗浄・消毒システムを導入
消毒コーナー全面改装!世界基準の洗浄・消毒システムを導入しました
菊池歯科クリニック理事長の菊池です。
前回のブログでは、ユニット増設と玄関まわりのリフォームについてお伝えしました。今回は、患者さまの目には触れにくい「裏方」の進化についてご紹介します。
実は今回のリフォームで、私が最も力を入れたのがこの消毒コーナーの全面改装です。
「見えない場所」にこそ投資する理由
歯科医院を選ぶとき、多くの方は待合室の雰囲気や診療室の設備に目が行くと思います。もちろんそれも大切ですが、私たちが本当にこだわるべきは「見えない場所」——つまり、器具の洗浄・消毒・滅菌を行うバックヤードだと考えています。
どんなに腕の良い治療をしても、使用する器具が清潔でなければ意味がありません。患者さまの安全は、この「裏方」の仕事にかかっているのです。
【📷 写真:旧消毒コーナー(ビフォー)】
【📷 写真:新消毒コーナー(アフター)】

世界基準の洗浄・消毒システム「IC Washer」を導入
今回、消毒コーナーの改装に合わせて、モリタ製の**「IC Washer(器具除染用洗浄器)」**を導入しました。
【📷 写真:IC Washer本体】
これは単なる「自動洗浄機」ではありません。世界で最も厳しいとされる**ヨーロッパの感染管理基準(ISO15883)**をクリアした、高度な洗浄・消毒システムです。
93℃の熱水で器具を洗浄・消毒し、**「A0値3000」**という消毒レベルを達成します。これは、B型肝炎ウイルスやHIVを含む病原体を死滅させるのに十分な能力です。
なぜこの機械が必要だったのか
① スタッフの安全を守りたい
これまで、鋭利な器具の洗浄は手作業で行っていました。どんなに気をつけていても、針刺し事故や切創のリスクは常にありました。
IC Washerなら、汚れた器具をセットしてボタンを押すだけ。スタッフが感染源に直接触れる機会が大幅に減り、安全に業務を行えるようになりました。
スタッフを守ることは、患者さまを守ることにつながります。
【📷 写真:手洗いによる感染リスクのイメージ or IC Washer操作パネル】
② 洗浄の質を均一化したい
手洗いの場合、どうしても担当者によって洗浄の精度にバラつきが出てしまいます。「誰が洗っても同じ品質」——これが機械洗浄の最大のメリットです。
器具の溝やタービンの細管内部など、手洗いでは届きにくい部分も、IC Washerなら確実に洗浄・消毒できます。
【📷 写真:洗浄コースの工程表 or 器具がセットされた様子】
③ 業務効率を上げ、患者さまへのケアに集中したい
IC Washerは、洗浄・すすぎ・消毒・乾燥までを全自動で行います。これまで手洗いや拭き上げに使っていた時間を、患者さまへのケアや準備に充てることができるようになりました。
機械に任せられることは機械に任せ、スタッフには「人にしかできない仕事」に集中してもらいたい。それが私の考えです。
「すべて滅菌」から「適切な処理」へ
今回の導入を機に、器具の処理方法も見直しました。
これまで当院では、安全のために使用した器具のほぼすべてをオートクレーブ(滅菌)にかけていました。しかし、ヨーロッパの歯科医療現場では、器具をリスクに応じて分類し、適切な処理方法を選択することがスタンダードになっています。
【器具の分類と処理方法】
| 分類 | 対象器具 | 処理方法 |
|---|---|---|
| クリティカル(高リスク) | インプラント機材、メス、外科用バーなど | IC Washer → 滅菌 |
| セミクリティカル(中リスク) | ミラー、ピンセット、印象用トレーなど | IC Washerのみで完了 |
IC Washerで処理されたセミクリティカル器具は、国際規格で定められた「高水準消毒(High Level Disinfection)」に到達しています。これは「手抜き」ではなく、世界基準に基づいた、より合理的で高度な感染管理なのです。
当院の理念「安心安全」を形に
当院の理念のひとつに、こうあります。
安心安全とは、院内感染対策が確実に実施されていることです。
今回の消毒コーナー改装とIC Washer導入は、この理念を「形」にするための投資です。
患者さまに直接見えることはありませんが、皆さまが座るユニットに並ぶ器具の一つひとつが、世界基準の洗浄・消毒を経ていることを、どうか安心してお受け取りください。
次回のブログでは、もうひとつの新兵器「プラズマガス滅菌機」についてご紹介します。県内でまだ2例目という、非常にレアな最先端滅菌機です。お楽しみに!