症例紹介

30代女性_左下奥歯にひどい自発痛 左下6の大きな根尖病変+MTA根充

  • beforebefore
  • afterafter
年齢 30代
性別 女性
治療内容

●左下奥歯に強い自発痛で来院
●歯の中から大量の排膿
●パーフォレーションリペア
●精密根管治療+MTA根充でほぼ完治
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左下6強い自発痛で来院されました。
抗生物質と消炎剤服用後、翌日かぶせ物除去と以前の根充剤を除去しました。
内部からは驚くほどの排膿があり、乾燥をすることはできません。
●治療方針
この大きさの根尖病巣だと、抜歯して病巣を搔爬することも検討します。
また、骨格性の反対咬合のため、奥歯には強い咬合力がかかるため、今後の歯根破折リスクが高いこと。
本来、外科的な矯正治療の対象となることを説明させて頂きました。
このまま根管治療を続けても完全に治るか不明確で、かなりのチャレンジケースであることも併せて説明させて頂きました。
何としても歯を残したいという強い希望のため、精密根管治療を行うことになりました。
その後、5回程、精密根管治療をマイクロスコープ下で治療を行いました。
根管内は非常に汚染が進んでおり、感染歯質が多量に残っている状態でした。
ラバーダム防湿下で、徹底的に感染物と感染歯質を除去し、さらに穿孔部の封鎖をMTAにて行い、ストリークレーザーによる殺菌と薬液洗浄を繰り返しました。
結果、治療6回目には、根尖部からの排膿が止まり、途中のレントゲンでも改善傾向が見られたため、MTAにて根充となり、その後予後は良好に経過しております。
なお、矯正治療は、矯正医から矯正は難しいという判断となっており、このまま経過をみることになります。

治療期間・回数 根管治療7回 かぶせる治療3回 合計10回
費用 税別14万円
治療のデメリット・注意点

●デメリット
レーザーを使った殺菌治療やMTAという特殊な薬剤を伴う精密根管治療は、保険適応外となりますので、自費治療をなります。
●注意点
かみ合わせに問題が残り、奥歯の咬合力により、歯の破折がおこるリスクが高いです。
しかし、初診時に存在した大きな根尖病変(大きな骨の欠損)は、ほぼ回復していますので、万が一今後左下6が破折して抜歯が必要となった場合は、抜歯と同時にインプラント埋入ができる状態になっております。

治療詳細

  • 治療開始前初診時

    暫く前から時々自発痛あったとのこと。
    初診時は、非常に強い自発痛で、
    翌日除去したところ、中から多量の排膿、出血があり、内部圧力が相当強かったことがわかります。

  • 治療開始時のCTレントゲン

    CTで病変の大きさを精査してみると、改めて巨大な病変であることが分かります。通常は、抜歯して病巣を搔爬する方針とするケースと思われます。

  • 穿孔部封鎖時のデンタルレントゲン

    3ヶ月経過後
    ラバーダム防湿下にて、う蝕を徹底除去。根尖からの排膿を吸い取っていきます。穿孔部(本来の根管出ない部分になぜか根充剤が詰まっていたため、歯に穴が空いていた)には、パーフォレーションリペアという穿孔部封鎖をMTAにて行いました。
    少しずつ根尖病変が小さくなっている様子が分かります。

  • 最終根充時のデンタルレントゲン

    約5ヶ月経過
    根尖からの排膿は全く消失しました。
    明らかに根尖病変の縮小が認められたため、MTAセメントにて根充しました。

  • 根充後のCTレントゲン

    CTにても明らかに根尖病変の縮小が認められます。

  • 治療前のパノラマレントゲン

    改めて巨大な病変でした。

  • 治療終了時の術前術後比較です。

    咬合の問題は今後の課題として残りますが、病変はほぼ消失しています。
    今後はナイトガードをしっかり使って歯の破折を予防していくよう指示しております。

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