院長ブログ
子どもの口呼吸は歯列矯正で治る?原因や改善方法を解説

「うちの子、口がポカンと開いている」
「口呼吸は矯正治療で治せるの?」
このような疑問や不安はありませんか?
子どもの口呼吸は、クセや本人の努力不足ではありません。鼻づまりやアレルギー、口周りの筋力不足などが隠れていることが多いです。
そのまま放置してしまうと、風邪を引きやすくなるだけでなく、顔つきの変化や歯並びの悪化につながるリスクもあります。
そこで本記事では、子どもの口呼吸の特徴や原因、矯正治療を含む改善方法を解説します。
子どもの口呼吸の特徴とは
口呼吸をしているお子様には、以下のような特徴が見られることがあります。当てはまる項目が多いほど、口呼吸の可能性が高いと考えられます。
- テレビやゲームに夢中になっている時、口が開いている
- 寝ている時に口が開いている、またはいびきをかく
- 朝起きた時「喉が痛い」と言う、またはお茶や水を欲しがる
- 食事中にクチャクチャと音を立てて食べる
- 唇がよく乾き、皮がむけている
- 姿勢が悪く、猫背気味である
- 落ち着きがない、集中力が続かないと言われることがある
- アレルギー性鼻炎やよく鼻風邪をひく
- 歯並びが悪い(出っ歯、受け口、ガタガタしている)
最も分かりやすいのは、リラックスしている時に唇が開いている状態(お口ポカン)です。
口元をよく観察すると、口角が下がって「への字口」になっていたり、下顎に梅干しのようなシワができていたりするケースも多く見られます。
また、唇や口の中が常に空気にさらされているため、唇がカサカサに乾燥していたり、前歯の歯ぐきが赤く腫れていたりすることもあります。
さらに、寝ている時に口が開いている、いびきをかく、歯ぎしりをする、といった症状は口呼吸の典型的な特徴です。
口呼吸が及ぼす悪影響
人間の体は、鼻で呼吸するようにできています。そのため、口呼吸が習慣化すると、さまざまな問題が生じることがあります。
●顔つきが変化する
口呼吸を長く続けていると、お子様の顔立ちに変化が現れることがあります。
その代表的なものが「アデノイド顔貌(がんぼう)」と呼ばれる顔つきです。
アデノイドとは、鼻の奥にあるリンパ組織のこと。アデノイドが大きくなりすぎると、鼻から喉への空気の通り道が狭くなり、鼻で息がしにくくなります。
常に口を開けていることで、顔の筋肉が下方向に引っ張られ、骨格の成長方向が変わってしまうのです。
●歯並びが悪化する
口呼吸は歯並びやかみ合わせにも影響します。
口をいつも開けていると、唇や頬の筋肉による「内側に押す力」が弱まり、逆に舌が前歯を「外側に押す力」が強くなります。
このバランスの崩れが、出っ歯や開咬(かいこう:奥歯で噛んでも前歯がかみ合わない状態)を引き起こすことがあります。
●風邪や感染症にかかりやすくなる
鼻には、吸い込んだ空気に含まれるウイルスや細菌、ホコリなどをキャッチするフィルター機能があります。
鼻毛や鼻の粘膜がこれらの異物を捕まえ、体内への侵入を防いでくれているのです。ところが、口にはこうした防御機能がありません。
口呼吸をしていると、ウイルスや細菌がダイレクトに喉や肺に入り込みやすくなり、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなります。
●口臭を引き起こす
唾液には、食べかすを洗い流す「自浄作用」や、細菌の増殖を抑える「抗菌作用」などがあります。
口呼吸によって唾液が乾いてしまうと、これらの機能が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、酸っぱいような口臭を引き起こすことがあるのです。
子どもの口呼吸の主な原因
子どもの口呼吸には、さまざまな原因が考えられます。
●鼻づまり
鼻炎は、子どもによく見られる鼻のトラブルです。
アレルギー性鼻炎の場合、花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンに反応して鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水や鼻づまりが続きます。鼻がつまっていれば、当然、口で呼吸するしかありません。
●口周りの筋肉の力が弱い
唇をしっかり閉じておくためには、「口輪筋(こうりんきん)」という唇の周りの筋肉が必要です。これらの筋肉が十分に発達していないと、無意識のうちに口が開いてしまいます。
テレビや動画を見ている時間が長いと、無表情で口元が緩んだ状態が続き、筋力低下につながることがあります。
●歯並びが悪い
歯並びやかみ合わせの問題が、口呼吸の原因になっていることもあります。
たとえば、出っ歯の場合、上の前歯が前に出ているため、唇を閉じるのに力が必要です。意識していないと自然に口が開いてしまい、口呼吸になりやすくなります。
口呼吸は歯列矯正で改善できる?
結論から言うと、歯並びの問題が原因で口呼吸になっている場合は、矯正治療によって改善が期待できます。
どのような方法があるのか見ていきましょう。
●筋機能矯正
筋機能矯正は、歯並びが悪くなる原因そのものにアプローチする方法です。
代表的な装置として、「マイオブレース」「プレオルソ」「T4K」などのマウスピース型の装置があります。
日中の1〜2時間と就寝中に装着し、舌の位置を正しい場所に誘導するように口周りの筋肉のバランスを整えていきます。
装置の装着とあわせて、「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるトレーニングを行うのが一般的です。
●固定性の拡大装置(スケルタルタイプ)を用いた治療
上顎が狭いことが原因で鼻呼吸がしにくく、口呼吸になっているお子様には、「固定性の拡大装置(スケルタルタイプ)」を使った治療が有効な場合があります。
スケルタルタイプは、上顎の骨を横に広げるための固定式の装置です。上顎が広がると、鼻腔も同時に広がります。
これにより、鼻の通りが良くなり、鼻呼吸がしやすくなることが期待できます。
●ワイヤー矯正やマウスピース矯正
子どもの歯列矯正は、永久歯が生え揃うまでを対象としていますが、永久歯が生え揃ってからでも歯並びを整えることで口呼吸の改善が期待できるケースはあります。
ただし、大人の場合は骨の成長が完了しているため、子どものように骨格そのものを変えることは難しくなります。
まとめ
子どもの口呼吸は、アレルギー性鼻炎や口周りの筋力不足、歯並びの悪さが原因で起こります。放置すると、風邪を引きやすくなったり、顔つきや歯並びに悪影響を及ぼしたりすることも。
しかし、原因に合わせた適切なアプローチを行うことで、改善は十分に期待できます。気になった時点で歯科医師に相談し、お子様に合った改善方法を見つけていきましょう。